王都に魔神が出現、伯爵からの依頼を受けられたし――その一報を受けた一行は、急ぎグリンノーザに取って返す。 領主オルテガ伯爵は、カノン王の要請に応じて騎士団を王都に派遣するとともに、ロレンたちに帰らずの森のエルフたちに宛てた親書を手渡す。 馬を走らせ森に至るも、エルフたちの出した答えは、一部の若者たちの参戦を認めたのみだった。 だが、一行が森を辞そうとしたところで、南西部落の長クルーゲン・カークが呼び止める。 「久々に黄金樹が寄生植物に根付かれた。その植物が付けた種は、陽光の当たらぬ場所に植えると黄金樹を求めてどこまでも根を伸ばすだろう。空洞に植えれば、その空洞を埋めながら、たとえ200kmの距離であっても」 王都カノンから帰らずの森南西部までの距離は、約200kmである。 王都の地下にその種を植えれば、カノン王国中部から北部にかけて、洞窟は根によって埋め尽くされるだろう。 グリンノーザに戻って伯爵に報告し、すぐさま王都に馬を走らせる一行。 そのまま黒煙を上げる王都に突入するも、すぐさま魔神たちに見つかり窮地に陥る。 エルフの若者やライバル冒険者たちを犠牲にしながらも、グリンノーザ騎士団との合流に成功し、魔神の出現地の一つであるマーファ第2神殿の地下墳墓に攻め込む。 最後の難関、牛の角を垂らした呪武両道の魔神レグラムに挑み、吹き荒れる氷嵐と強烈な角の一撃に耐えながら、ついには蹴散らしてドワーフの地下洞窟に種を植え付ける。 たちまちのうちに根を伸ばす寄生植物。 見る間に洞窟を埋め尽くしていく力強い根は、同時に無数の魔神たちを飲み込んでいった。 地下の旺盛な成長力に比べて、地表部分はわずかに枝葉を伸ばして緑を茂らせる程度である。 カノンの人々は、突如としてそこかしこから芽を出した見たこともない植物に首をかしげた。 やがて魔神の出現が減ってくると、ようやくこの植物が国を救ったことを理解することになる。 しかし、これがたった一つの種から生じた1つの個体であることを知る者は少なかった。
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