魔神の脅威を知ったカノン王は、地方の守りを各領主に任せ、王都の守りを固めることに決めた。 グリンノーザ領主オルテガは街の防衛を会議にかけるも、危険と釣り合わない報酬額に冒険者も傭兵たちも渋面を隠せない。 そこへ、チャ・ザ司祭のリブが揚々と現れる。彼が会議参加者に見せたのは、ライデン評議会とチャ・ザ神殿が魔神の首にかけた賞金額だった。
従来の2倍近い報酬に色めき立つ一行。 さっそく王都で魔神の出没スポットを確認すると、危険を顧みずに南の平原へと繰り出す。 運良く無理のない強さと数の魔神たちと遭遇し、次々と首級を上げていく。 装備を強化しながら、ときおり思わぬ強敵に舌を巻きつつも、大きなトラブルもなく賞金を受け取る冒険者たち。
ひととおり危険地帯の魔神どもを狩った一行は、半月ぶりにグリンノーザに帰り着く。 そこで目にしたのは、小麦を収穫したばかりの周辺村落の人々が、グリンノーザと南の宿場村ノクターン・インに避難する光景だった。 領主オルテガは領民の命を守るため、村落の守りを放棄し、街壁を持つ2カ所で守りを固めることとしたようだ。 刻々と変わりゆく街の姿に、誰もが不安を覚える。 それを代弁するかのごとく、一行のライバル冒険者であった“茨の”ルーが、魔神との戦闘で左足喪失・左半身不随の大怪我を負い、現役を引退したという情報が街を駆け巡るのであった。
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