ロードス島戦記ＲＰＧ 魔神戦争 外典・命根の書 第１話「赤光、天敵を照らす」

カノン王国の第八王女にしてマイリー神官のアスフィー。 盗賊であることを隠しながら職人業にいそしむJB（ジャック・ブラウン）。 上級騎士ポッツの娘でありながら、精霊使いの道を選んだティーネ。 エルフのわりに暴飲暴食の日々を送る退廃の魔術師ロレン。 ４人１組の冒険者が、カノンの北壁、あるいは裏側と呼ばれる城塞都市グリンノーザに集った。 平和な街の光景の裏側で、人知れず脅威が蔓延していることも知らずに。 ある日、領主オルテガ伯爵から冒険者たちに２つの依頼書が渡された。 どちらも近隣村落から届いた妖魔退治で、簡単そうな依頼料の低い北の村の方を新米冒険者ラシーンたちに任せ、一行は大型の個体が確認された南の村に向かう。 だが、妖魔の発見された洞窟に向かうと、長い尻尾やコウモリのような翼など、いつものやつらとは似て非なる化け物どもが落盤の瓦礫をせっせと移動させていた。 戦っても強敵である。なんとか撃退した一行は、急いで領主にこのことを報告する。 領主の持つ古書から情報を得て、さらに王城に呼び出されていた宰相イニアナがもたらした報告により、敵は妖魔などではなく魔神どもであることが判明する。 魔神は、今は滅びた古代魔法王国の魔術師たちが、かつて召喚し使役した異界の怪物どもである。 支配された過去の恨みを晴らすべく、ロードス全土で人族を襲い始めたらしい。 北に向かったラシーンたちはまだ帰らない。自分たちでさえ苦戦した敵に、果たして無事でいるのか。 心配は杞憂に終わらない。 北の領主が駆け込んできて、ラシーンたちの全滅が伝えられた。 急ぎ北へ向かう騎士団と冒険者たち。 北の農村を襲っていた尖兵どもを倒し息つく間もなく、羊飼いの少女の行方が知れないことを母親が訴えかける。 さらに北へ、しかしヴァリスとの国境線で騎士団の足が止まる。この先はヴァリス領内であり、自分たちはこれ以上進むことができない、と。 一行は目に見えぬ線など気にも止めず、少女の悲鳴を聞いて走り出す。 少女をいたぶるように小突いていた魔神たちと戦う一行。 古代語魔法まで扱う小型の個体に苦戦しつつも打倒した冒険者たちは、村の人々から感謝を告げられる。 だが、同時にラシーンたちの死体に魔神の脅威を覚えるのであった。